2/2

妹はちいちゃいときから自作の鼻歌を歌詞つきでよく歌っていました。

幼稚園さんくらいには自らを「ピー子」と呼び、

母のことを下の名前で友達のように呼んでいて、

”お母さんは私がいるから大丈夫だよ”というような歌を

よく、よく歌っていました。

我が家のヒットソングです。

♪ぴいこーがーいるーからー！

♪オーラィッ！ジャンジャカジャン！オーライッ！ジャンジャカジャン！

♪オーラーーーーィ！

この前にバラードのように母へのメッセージを歌って〆がこれ。

妹によるとこれは超絶黒歴史だそうなのですが

その頃というと家族3人窮地に立たされている真っ最中のド底辺な暮らしをしていて

母は相当にしんどかった時期だったと思います。

私も子どもながらに死にもの狂いで生きていたので。

そんな中で急きょ大声張り上げて歌いだしたこれを聞いて

幾分救われてたんじゃないかなって今になって思います。

母は特に、たまに今でも口ずさんでるとこみると。

そんな妹も母になりました。

第一子が生まれてすぐに「あやしうた」を即興で作り、歌い続けていました。

不思議なことにどれだけ大泣きしても

それを歌うとおとなしくなってしまうわけです。

「これ歌うと泣き止むんや～」と。

♪○○○○はどーしたのかな？

♪なーんでなーいてるの？

♪はーはにはーわーからっないー！

♪△△にーもーわーからっないー

○○○には我が子の名前、

△△にはテキトーにその辺にいる人の名前を入れるわけで

昔と変わらず心配もクソもねえ曲調で

なんなら馬鹿にしているようなノリで歌うのですが

むかつくほどに耳に残る。

そして第二子が去年誕生しました。

変わらず第一子のうたをうたい続けましたがまったく効かず

妹の伝説も終えたかのように思ったのですが

すぐさま新作をつくりやがったのです。

♪私の名前は○○○○～

♪ほのぼのするのが仕事ですっ！ハイッ！

♪ﾎﾉﾎﾞﾉｯ!ﾎﾉﾎﾞﾉｯ！ﾎﾉﾎﾞﾉｯ！ﾎﾉﾎﾞﾉｯ!

ついに気が狂ったんかと思いました。

でもこれまた第二子はこれを聞くと泣き止むどころが笑い出すのです。

聞くところによると、それら以外にも日々新曲は生まれていて

いろんなテーマ曲があるようです。

たしかにちいちゃい時もピー子以外にめっちゃあったもんなぁ。

私は人生で出会った人間でダントツに面白い人間は妹で

結婚してもなお頭おかしいところには敬服します。

未だにそれを超えてくる人に出会えていないのですが

それを言うとシスコン！ってよく言われてしまう。

でもそうじゃないってことがこれを読んだら少しわかってもらえるかなって

ちょっと期待をしています。

本当におかしい人間なんです。

生活をしていて急にユーモアに全振りし、

またそれを自己肯定して「ええやんけ！」ってなる人間

もっと増えたらいいなって思います。

本当に貧しかった時期、本当に毎日灰色だった時期だったけど

人生でいちばん幸せでキラキラしてたなって。

私にもし子どもがいたら絶対に同じ境遇にさせたくないなと思うし

させるべきでないなと思うけど

そこで得たキラキラをじゃあどうやったら与えることができるのかなって

最近よく思うのです。

12/21

私の今の同期は十以上一回り未満離れた若い子なんですが、

それにしてもしっかりしていて、とても助けられております。

それなのにきちんとイマドキがめちゃくちゃ在って、

たまーに青いというか幼いところもあり、

可愛いので大事にしてあげたいところだなぁと思っています。

一緒に仕事し始めて数ヶ月経つ頃に一度

彼女の作品を「ビー玉みたいできれい」と伝えました。

彼女はそれが純粋な褒め言葉だととらえてくれて、

私のものを観た時も同じ言葉で褒めてくれたりします。

まぁ、褒め言葉なんですけどね。

実を言うと、彼女の作品を観て思ったことそのままの言葉なだけだったので

私に同じこと言われても嬉しくはないわけですよ。

私のそのビー玉ってのは、

幼い子が遊ぶために使う道具なんですよね。

おひさまに当たるとキラキラするんだけど、

キラキラん中には原色のなんか入ってる。

キラキラして、玩具で、ちいちゃい子のための道具なのに

よく見りゃ真ん中に我があるかてえ硝子玉なんですよね。

そしてどの方向にも傾いて転げていけて、

つい落ちてしまうと粉々になってしまう。

けど、粉々になっても美しいからそれまたヨシとされてしまう。

彼女の作品を観て、今生きている感性で出来上がっていて

あまりに儚くて愛おしいものだなぁと思ったんですよ。

おとなになったらみんな忘れちゃうものがある人だなぁって。

幼いといってしまえばそれまでなんだけど、

どうか粉々になるのは勘弁願いたいなぁと思って

大事に大事にしてます。

わたしにはないものを持てて、無意識に具現化できる人だから

それがこの人だからできてることなのか

ただただわけえからできてるだけなのか

それが判明するまで観たいなぁと思ったわけです。

そんなわけで、私に同じこと言われても違うんよな〜ってなる。

綺麗って意味じゃないからなぁ…

ある種キレイなんだけどさぁ。

わりかしポエミーなこと書いてることになるんだろうけど、

ひとのつくったもん観るとこれくらいは素で思って言ってしまう人間らしく

ブラック時代に　お前のそれは大切にしろ　と言われたので

今でも社内の人のとかみてめちゃくちゃ感想を素直に言うやつをしている。

でも上記みたいに全部言うのは面倒だし理解もされないので

めちゃくちゃはしょって伝えてしまう。

言わなきゃいいんだけど、高ぶったらさ、

すごかった！！めちゃくちゃいい！！！

ってやっぱ本人に伝えたいじゃない。

面白くないときはめちゃくちゃ言葉選ぶけどさ。

最近ビー玉も無事ヒビ入ってきたというか

転がしすぎて傷ついてモヤがかってしまってる傾向なので

やっぱ若くて経験値ないからか〜という結論に達しつつあるけど

それでもたまに見せる変化球の曲がり具合がえげつねえので

めちゃくちゃ面白くてありがたいです。

12/9

素晴らしいほどの不器用さを兼ね揃えた八方美人だと自負してるんですけどね、

自分のことを。

いい意味では決してなくて、どちらかというと風見鶏系のやつで。

残念ながら、この世で私を知っている人間が少なくとも200人はいるんですけど

正直に申し上げると、サシとなるとその200人分、

私は違う対応をしてしまう性分があります。

というのは、人それぞれに感性が違うからです。

私は自分の意思は最低限伝えるし、大体頑固を通すのですが、

それにだって相手に合わせたテンポがあるわけで、

なんなら波長が面白いほど全く合わないこともあるわけで、

だけど自分の言葉も伝えてこそのキャッチボール、コミュニケーションなわけで、

そのためには相手を感じないと何もできないわけなのです。

まあ、下手くそなんですよね。結局。

「私のことを知っているひとをこれ以上つくりたくない」というのが

私の現在の人生のモットーなんですが、

そうはいっても、人脈というのが社会を最大限乗りこなす武器であることも

若くして身をもって痛感したこともあるわけで、

なかなかうまい塩梅がみつからないままこの年まできてしまいまして。

最近ね、仕事でまぁ結構、会社の代表として動く部分ができたわけですよ。

代表というか…どちらかというと斬り込み隊長みたいな立場ですけど。

なもんで、私を名前だけでも知っている人間が前述より爆増したんですよね。

ここ半年で。

もうねぇ・・・まーじでしんどくてこれが。

仕事内容としてはしんどさそんなないんですよね。

結構好き勝手やらしてもらってるし、時間縛られるわけでもないから。

会社の代表というのもそんな苦ではないんですよ。

なんなら支社長代理をやってたくらいですから。

でも私個人を知る人間が増え続けているのがね…どうにもだめで…

よく思い出すんですよね。

高校の時にあんまり学校休まない子が休んだ日があって、

その子とは結構話してたり遊んでたりしてたことはしてたんだけど、

クラスの子に

「ねえねえこまちゃん、なんで○○ちゃん今日休みなの？？」

って聞かれた瞬間にめっっっっちゃ頭プッツンきちゃってね。

これその○○ちゃんと私、めんどくせえ距離感になってんだなって、

その日から距離置いちゃったんですよ。

だって知らねえもんそいつの親でもなんでもねえのに。

や、これは、あまり理解のされない感情であるとわかっちゃいるんですけど

私の意図しないところで他人を紐づけてほしくないというか、

私に固定のイメージをつけないでほしいんですよね、勝手に。

仕事とか物事を結びつけるなら全然かまわないんですけど、

なんか他人とペアリングされんのほんとなんか駄目なんですよね。

ちいちゃい時からの謎部分なんですが、どうせ変なプライドなんでしょう。

そういうのがぐっちゃぐちゃになって本当うんざりしちゃってね、最近ね。

名刺交換する度に、「こいつは今私というものが記憶にのってしまった」って

忘れる忘れないじゃないんですよ、

出会ってしまって言葉を行動を交わした途端に人間は顔見知りになってしまう。

顔見知りという距離の恐ろしさ。

わたしもあんま会わない人の性分なんかいちいち覚えないわけで

でも向こうは覚えているわけで

「こいつとの距離はどこだ？」「どのキャラだ？」って混乱するし

恐怖するんですよ。

いい顔したいわけじゃなくて、私に印象を持ってほしくないというか

頼むから私のことを毎度初対面の奴だと思ってくれと願っているわけです。

社会人失格なことつらつら書いとるけども。

こんなんでも生きて行ってしまうのだから、

どっかで自分のために狡いことしなきゃなってすごくすごく思う。

BBAになったんだから、甘やかしも覚えて恥ずかしげもなくやってかなきゃなと。

ある種、恥ずかしいことはずっとやってきてんですけどね。

30過ぎてこんなもん書いて残してんだからお先真っ暗ですよね。

死んだらこれも燃やしてください。